よくある質問
クエスチョン どうしてベースパックは保有耐力接合を満足させているのですか?
アンサー まず、地震が発生し建物に非常に大きな力が加わった時、保有耐力接合を満足する柱脚と、満足しない柱脚を用いた場合の1階柱脚部の挙動を比較した例が、下の図のようになります。
 (1)保有耐力接合の柱脚部の例
(1)の場合、柱脚耐力が柱材耐力を上回るため、塑性変形は主に柱材下端で生じ、その履歴(P-δ)曲線は紡錘型と呼ばれるものになります。
 (2)保有耐力接合を満足しない柱脚部の例
(2)の場合、柱脚耐力が柱材耐力を下回るために、塑性変形は主にアンカーボルトで生じ、その履歴(P-δ)曲線はスリップ型と呼ばれるものになります。
現在の耐震設計は構造特性係数Ds値に見られるような「塑性変形能力」「エネルギー吸収特性」等の考え方に基づいて定められています。エネルギー吸収能力は履歴曲線で囲まれた部分の面積で表現され、建築用鋼材で降伏値と引張強度の規定が厳しくなったのもこの考え方に基づいています。 ここで柱脚部の履歴曲線を見てみると、保有耐力接合を満足した柱脚を用いて紡錘型を描いたものの方がエネルギー吸収能力が優れていることがわかります。また、同一層の中に柱頭の紡錘型と柱 脚のスリップ型が混在すると、その層に損傷が集中するといった文献1)もあり、又、紡錘型とスリップ型の柱脚降伏後の第1層の変型を比べれば、スリップ型の方が柱頭への負担が大きくなるこ とも明らかです。
阪神大震災の震度7地域にあった、ベースパック物件293件の柱脚に異常がなかったことからも、保有耐力接合柱脚の有効性が実証されたものと考えています。
最後に、鉄骨造建築物における柱脚は人命にも関わる非常に重要な箇所として、「絶対に壊れてはならない」ことを第一に開発を進めています。
参考図書:1)鉄骨柱脚の耐震設計(秋山宏著、技報堂出版)
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