設計

フリードーナツの設計フロー

フリードーナツのご採用に際しては、適用可否の検討が必要です。
検討は、以下のフローに基づきます。

フリードーナツ工法の検討

START 貫通孔の必要孔径・孔位置の決定 梁材に関する規定 取付位置に関する規定 有孔部耐力のチェック 梁の存在応力がM-Q曲線内であることの確認 1.長期許容耐力の検討 2.短期許容耐力の検討 3.全塑性耐力の検討 END

警告
警告
注1
塑性化が予想される領域に設けられる貫通孔の数は、2ヶ所までとします。
注2
本工法は、横補剛が必要な梁の横補剛を不要とするものではありません。
注3
梁に軸力が作用する場合は使用不可とします。
注4
梁の材軸に対し鉛直方向(せい方向)に複数の貫通孔設置は不可とします。

梁材に関する規定

項 目 フリードーナツエイト フリードーナツゼロ
構造・部位 鉄骨造・梁
断面形状 圧延H形鋼、溶接H形鋼
材質※1 F値 325N/㎟ 以下 F値 440N/㎟ 以下
梁せい 1800mm以下
ウェブ厚 32mm以下
最大孔径比※2 0.60以下 0.66以下
梁幅厚比 制限なし
(ただし、部材種別がFC、FDの梁で、塑性化が予想される領域に貫通孔を設けることはできません。)
  • ※1 適用する梁材の材質
  • ※2 梁せいに対する貫通孔径(呼び径)の比の最大、梁にあけられる貫通孔は取付可能範囲をご確認ください。

エイト ゼロ

  • ・一般構造用圧延鋼材(SS400)
  • ・溶接構造用圧延鋼材(SM400A、SM400B、SM400C、SM490A、SM490B、SM490C)
  • ・建築構造用圧延鋼材(SN400A、SN400B、SN400C、SN490B、SN490C)
  • ・建築構造用TMCP鋼材(TMCP325B、TMCP325C)

ゼロ

  • ・溶接構造用圧延鋼材(SM490YA,SM490YB,SM520B,SM520C)
  • ・建築構造用TMCP鋼材(TMCP355B、TMCP355C、TMCP385B、TMCP385C、TMCP440B)
  • ・建築構造用高性能590N/㎟ 鋼材(SA440B、SA440C、SA440B-U、SA440C-U)
    記載のない鋼材品種についてはお問い合わせください。

取付位置に関する規定

項 目 フリードーナツエイト フリードーナツゼロ
梁端から孔中心までの距離(L1) 50mm + 0.47×Dr ※1 以上 min(d ※2 ,D ※3 /2)以上
ウェブスプライスプレート端・ガセット
プレート端から孔中心までの距離(L2)
30mm + Dr ※1 /2以上 20mm + Dr ※1 /2以上
隣り合う孔の梁材軸
方向中心間距離(L3)
隣り合うリングが
同種 ※7 の場合
MAX [1.5×(d1 ※2 + d2 ※2 )/2,
50mm + 0.47×(Dr1 ※1 + Dr2 ※1 )以上,
30mm + (Dr1 ※1 + Dr2 ※1 )/2]以上
20mm + (Dr1 ※1 + Dr2 ※1 )/2以上
隣り合うリングが
異種 ※8 の場合
MAX [1.5×(d1 ※2 + d2 ※2 )/2,50mm + (Dr1 ※1 + Dr2 ※1 )/2]以上
梁天端からリング中心までの距離(e1)※9 (tf ※4 + r ※5 ) + (Dr ※1 /2 + a ※6 )e1
(D ※3 - tf - r) - (Dr/2 + a)
(tf ※4 + r ※5) + (Dr ※1 /2)e1
(D ※3 - tf - r) - (Dr/2)
FDリングとH型鋼フィレットが干渉しない範囲 ※10
塑性化が予想される領域に存在する
貫通孔の数
梁の塑性化が予想される領域に設けることができる貫通孔は2ヶ所までとします。
ただし、部材種別がFC,FDの梁で、塑性化が予想される領域に貫通孔を設けることはできません。

取付位置に関する規定

  • ※1 Dr (mm) :リングの外径
  • ※2 d (mm) :呼び径
  • ※3 D (mm) :梁せい
  • ※4 tf(mm) :梁フランジ厚
  • ※5 r (mm) :フィレット
  • ※6 a (mm) :リングとH形鋼フィレットとの間隔
    BR100K~BR150K:a=7.5
    BR175K~BR400K:a=9
  • ※7 同種:隣り合うリングが、共にフリードーナツゼロ、あるいは、共にフリードーナツエイトの場合
  • ※8 異種:隣り合うリングが、フリードーナツゼロとフリードーナツエイトの場合
  • ※9 梁の応力状態によってe1の範囲が変動する場合があります。
  • ※10 ただしF値385N/㎟を超える梁ウェブにフリー ドーナツゼロを用いる場合には、FDリング最外縁のプラグ溶接中心位置が、梁せい中心から梁フランジ側に梁せいの 37.5%を超えて取り付くことはできない。
    (梁ウェブのF値が385N/㎟を超える場合はお問せください。)

有孔部耐力のチェック

許容応力度計算時

許容応力度計算時に梁有孔部に生ずる曲げモーメント(M)とせん断力(Q)が、梁有孔部の許容耐力を超えていないことを確認してください。

メカニズム時

メカニズム時に梁有孔部に生ずる曲げモーメント(M)とせん断力(Q)が、梁有孔部の全塑性耐力を超えていないことを確認してください。

有孔部耐力のチェック

適否検討サービスのご紹介

スリーブ図に基づき貫通孔位置の応力状態を仮定し、弊社スタッフが適否検討を承ります。
その他、個別条件での検討もご相談ください。

適否検討サービスのご紹介

主な梁の偏心可能範囲
(e1min~e1max)

下記以外の梁材でも使用可能です。適用可否の検討にてご確認ください。

単位(mm)

フリードーナツエイト

フリードーナツエイト
BR100K BR125K BR150K BR175K BR200K BR225K BR250K BR275K BR300K BR350K BR400K
細幅系列 H-250×125×6×9 105-145 118-132
H-300×150×6.5×9 110-190 123-177 137-163
H-350×175×7×11 112-238 125-225 139-211 163-187
H-400×200×8×13 114-286 127-273 141-259 165-235 179-221 195-205
H-450×200×9×14 115-335 128-322 142-308 166-284 180-270 196-254 214-236
H-500×200×10×16 117-383 130-370 144-356 168-332 182-318 198-302 216-284 230-270 244-256
H-600×200×11×17 118-482 131-469 145-455 169-431 183-417 199-401 217-383 231-369 245-355 278-322
中幅系列 H-244×175×7×11 112-132
H-294×200×8×12 113-181 126-168 140-154
H-340×250×9×14 115-225 128-212 142-198 166-174
H-390×300×10×16 117-273 130-260 144-246 168-222 182-208
H-440×300×11×18 119-321 132-308 146-294 170-270 184-256 200-240 218-222
H-482×300×11×15 116-366 129-353 143-339 167-315 181-301 197-285 215-267 229-253
H-488×300×11×18 119-369 132-356 146-342 170-318 184-304 200-288 218-270 232-256
H-582×300×12×17 118-464 131-451 145-437 169-413 183-399 199-383 217-365 231-351 245-337
H-588×300×12×20 121-467 134-454 148-440 172-416 186-402 202-386 220-368 234-354 248-340 281-307
H-692×300×13×20 126-566 139-553 153-539 177-515 191-501 207-485 225-467 239-453 253-439 286-406 318-374
H-700×300×13×24 130-570 143-557 157-543 181-519 195-505 211-489 229-471 243-457 257-443 290-410 322-378
H-792×300×14×22 128-664 141-651 155-637 179-613 193-599 209-583 227-565 241-551 255-537 288-504 320-472
H-800×300×14×26 132-668 145-655 159-641 183-617 197-603 213-587 231-569 245-555 259-541 292-508 324-476
H-900×300×16×28 134-766 147-753 161-739 185-715 199-701 215-685 233-667 247-653 261-639 294-606 326-574

※梁の応力状態によっては、表中の偏心量を確保できない場合があります。

単位(mm)

フリードーナツゼロ

フリードーナツゼロ
フリードーナツゼロ※梁ウェブF値385N/㎟以下の場合
FD100N FD125N FD150N FD175N FD200N FD250N FD300N FD340N FD390N FD420N FD500N FD580N
細幅系列 H-250×125×6×9 108-142 121-129
H-300×150×6.5×9 113-187 126-174 150-150
H-350×175×7×11 115-235 128-222 152-198 174-176
H-400×200×8×13 117-283 130-270 154-246 176-224 199-201
H-450×200×9×14 118-332 131-319 155-295 177-273 200-250 225-225
H-500×200×10×16 120-380 133-367 157-343 179-321 202-298 227-273
H-600×200×11×17 121-479 134-466 158-442 180-420 203-397 228-372 265-335 280-320
中幅系列 H-244×175×7×11 115-129  
H-294×200×8×12 116-178 129-165
H-340×250×9×14 118-222 131-209 155-185
H-390×300×10×16 120-270 133-257 157-233 179-211
H-440×300×11×18 122-318 135-305 159-281 181-259 204-236
H-482×300×11×15 119-363 132-350 156-326 178-304 201-281 226-256
H-488×300×11×18 122-366 135-353 159-329 181-307 204-284 229-259
H-582×300×12×17 121-461 134-448 158-424 180-402 203-379 228-354 265-317 280-302
H-588×300×12×20 124-464 137-451 161-427 183-405 206-382 231-357 268-320 283-305
H-692×300×13×20 129-563 142-550 166-526 188-504 211-481 236-456 273-419 288-404 323-369 344-348
H-700×300×13×24 133-567 146-554 170-530 192-508 215-485 240-460 277-423 292-408 327-373 348-352
H-792×300×14×22 131-661 144-648 168-624 190-602 213-579 238-554 275-517 290-502 325-467 346-446 396-396
H-800×300×14×26 135-665 148-652 172-628 194-606 217-583 242-558 279-521 294-506 329-471 350-450 400-400
H-900×300×16×28 137-763 150-750 174-726 196-704 219-681 244-656 281-619 296-604 331-569 352-548 402-498 452-448

※梁の応力状態によっては、表中の偏心量を確保できない場合があります。