熱の仕組みと結露の仕組み

5. 柱や土台を腐らせる「内部結露」

住まいを腐らせる世にも恐ろし~い
内部結露」にご用心。

「内部結露」は室内の暖かい空気が壁(断熱材)の内部に侵入し、水蒸気を含むことができる限界の温度を下回った場所で発生します。この状態が長引くと、柱や土台を腐らせる原因となります。
柱や土台が腐ってしまっては、建物に必要な強度が失われてしまい、これでは大きな地震がくると、ひとたまりもありません。

「住宅の品質確保促進法」※1)では主な構造材の瑕疵(欠陥)について、10年以内であれば施工者の責任で補修する義務を定めています。これには結露を原因とする瑕疵も含まれます。つまり住まいが結露するのは施工者の責任でもあるのです。

※1)住宅の品質確保促進法・・・・・消費者保護の観点から、住宅の品質や性能を確保するために、2000年から施行された法律。

木材を腐らせるのが「木材腐朽菌」。ナミダタケやワタクサレタケなどは生育条件がそろうと短期間で木材の中まで浸透し、強度低下を引きおこします。木材腐朽菌が繁殖するには[1]酸素、[2]適温 (低温菌0~30℃、中温菌10~45℃)、[3]養分(木材に含まれるリグニン、セルロース)、[4]水分(含水率20%を超えると活動)の4つの要素が全てそろう必要があります。今の日本の住宅は防腐処理を施すことで、木材中の養分を毒性に変えて、木材腐朽菌の活動を抑えています。

しかし薬剤の効果も永久に続くものではないので、根本的な対策は木材腐朽菌に必要な水分を絶つことしかありません。結露を防ぎ木材の含水を抑えれば家が長持ちすることは、あの法隆寺が証明しています。建物を結露からまもるには、建物を気密・防湿化することで、水蒸気を壁(断熱材)の中に入れないことが重要なのです。

解説

部結露のメカニズム

水蒸気を蓄えた暖かい空気は壁(断熱材)の内部に侵入します。水蒸気圧の関係から冬は屋内から屋外に、夏は屋外から屋内へと移動します。この時、温度低下によって飽和水蒸気量を超えるポイントがあり、そこに水蒸気が侵入すると内部結露が発生します。内部結露を防ぐ手段は壁の中に低温部分をつくらないこと。そして低温部分に水蒸気を入れないことです。水蒸気の分子は水滴の250万分の1という細かさで、多くの建材をとおり抜けてしまいます。水蒸気をとおしやすい繊維系の断熱材ではしっかりとした防湿材の施工が必要になります。

内部結露のメカニズム