【液状化現象の解説と基礎杭の提案】EAZET・ATTコラムの対応事例

大地震で懸念される液状化。地盤が泥状化し、建物の沈下・傾斜や埋設物の浮上など被害を招きます。本稿では液状化の仕組みと代表的な対策を整理し、ハザードマップだけでは把握しきれない建設地の検討ポイントも解説。さらに、液状化判定地で杭基礎を計画する際に、EAZET工法の高強度鋼材提案やATTコラムの効果で、杭本数を増やさずコストアップを抑えた事例を紹介します。設計・施工の初期検討に役立つヒントとしてご活用ください。

液状化現象とは

液状化現象は、地震による強い衝撃で地盤が強い衝撃を受けると、今まで互いに接して支えあっていた土の粒子がバラバラになり、地盤全体がドロドロの液体のような状態になる現象のことをいいます。
液状化が発生すると、地盤から水が噴き出したり、また、それまで安定していた地盤が急に柔らかくなるため、その上に立っていた建物が沈んだり(傾いたり)、 地中に埋まっていたマンホールや埋設管が浮かんできたり、地面全体が低い方へ流れ出すといった現象が発生します。

液状化の説明イラスト

液状化対策

液状化現象が確認された主な地震

液状化現象が確認された主な地震

主な液状化対策工法

液状化対策としては、建造前・後により、一般的に下記のような各工法があげられます。

主な液状化対策工法

埼玉県ホームページ 建築物の液状化対策について - 埼玉県 より抜粋

国や自治体の取り組み

最近では、大地震時にインフラ施設へ被害を及ぼす可能性がある宅地の液状化対策「宅地液状化防止事業(防災・安全交付金)/国交省」として、 地下水位低下工法と格子状地中壁工法の2工法を実施されている地区もあります。
また、自治体のハザードマップ整備も進んでおり、地域ごとの液状化発生傾向や危険度が情報提供されています。

地下水位低下工法と格子状中壁工法のイラスト

液状化ハザードマップの例

地形模式図による微地形区分(日本建築学会ホームページより)
※微地形区分の(大)(中)(小)は地盤表層の液状化可能性の程度

参考リンク

このように、液状化現象の具体的な事例を通じて、その影響と対策の重要性を理解することができます。
一方、上図のように液状化が想定される地域はまだまだ多く、建設場所の詳細な情報は土質試験などに頼らざるを得ません。
液状化の可能性有りと判定された建設地で杭を打設する場合に、当社の工法はどのような特徴があるか次をご覧ください。

液状化が想定される建設地での採用事例
(液状化によるコストアップを最小限に!)

高強度鋼材の使用をご提案した事例/EAZET工法

構造物:RC造5階建て集合住宅
杭仕様:φ406.4-Dw800
L=34.0m(6+6+5+5+6+6)
※6m(t19.0)+6m(t12.7)+22m(t7.9)
支持力:1029kM/本

事例①_施工風景

事例①_柱状図

事例①_許容M-N図

液状化を考慮しない場合は、上杭も下杭と同等のt7.9-STK490で対応可能でした。
一方、液状化を考慮する場合は地盤反力を低減し、杭により高い曲げ耐力が求められるため、t19.0-STK490を提案し、採用となりました。
杭本数を変更せずに済んだことで、フーチング基礎を大きくする必要がなく、コストアップを抑制 できました。
また当社では、高張力鋼管SEAH590(STKT590)も取り揃えており、地盤条件・荷重条件に応じた杭仕様の設計・提案が可能です。

水平曲げ耐力をご提案した事例/ATTコラム工法

構造物:S造1階建て施設+発電機
杭仕様:φ267.4-Dw700-φ1000コラム
L=16.0~18.0m
支持力:100~200kM/本

事例②_施工風景

事例②_柱状図

ATTコラム工法は杭長を短く出来るだけでなく、水平方向地盤反力係数が低下してしまう地盤であっても杭の変位量や発生モーメントを抑える提案が可能な工法です。
本件では、液状化を考慮しない場合は羽根径φ500/コラム径φ700の仕様でしたが、液状化を考慮する場合でも羽根径φ700/コラム径φ1000に留めることで、杭本数を変更せずにコストアップを抑えることができました。
これは、液状化層に対して、下記に示すようなコラム効果が設計条件に反映され、結果としてコスト面の抑制にもつながったためと考えています。
(ATTコラム工法では、コラム効果により、杭頭変位量が25mm以内の範囲で、下記の水平地盤反力係数を提案します。)

高い水平支持力が期待できるATTコラム

水平方向地盤反力係数計算式

設計・施工検討サポートのご依頼

液状化が想定されるケースにおいては、地盤反力の低減を考慮して杭の設計をする必要があるため、杭仕様や基礎寸法が大きく変わり、 コスト・工期に直結します。杭頭には高強度鋼材を使用したり、水平支持力を高く期待できるATTコラム工法を採用するなどの工夫により杭本数を増やさずに成立させる検討も可能です。
計画概要(用途・荷重条件・地盤条件・施工条件など)を共有いただければ、EAZET/ATTコラムを用いた最適な杭仕様(高強度鋼材の提案含む)や、 概算コスト・工期の目安、検討時の留意点をご提示します。サポートは無料ですので、下記フォームよりお気軽にご相談ください。

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