基礎TOPICS Vol.52

軽量構造物基礎での採用

重量が軽い構造物であっても、軟弱地盤により鉛直方向の地耐力が不足したり、風荷重や地震力を受けたりすることで水平力と引抜力が作用してしまうことがあると思います。 こういった場合、基礎補強を計画することが必要となります。
弊社では、こういった場合に羽根を多段に取り付けたEAZET-Ⅱ(イーゼット・ツー)工法を提案することがあります。
今回は、実際に採用いただいた事例も交えながらこのEAZET-Ⅱをご紹介いたします。

EAZET-Ⅱ工法

EAZET-Ⅱ(イーゼット・ツー)は、EAZETの基本性能をそのままに、より幅広い地盤性状でも効率的な支持力発現を可能にする杭工法です(建設省東住指発第449号)。
杭のプロポーションは先端羽根だけでなく、側面にもらせん状の羽根部材が取り付けられており、鉛直支持力は粘性土・砂質土の区別なく鋼管単体より大きな周面摩擦力を 発揮することができます。また、基礎ぐいの先端地盤が砂質地盤・礫質地盤における引抜力の支持力評定を取得しており、荷重条件に応じて経済的な杭基礎提案が可能となっています。

看板基礎での採用事例

看板の新設工事にEAZET-Ⅱを採用いただきました。
杭芯への寄り付きが難しい施工条件であったことからリーダレス機を使用し、狭隘な看板設置場所を変更することなく、計画を進めることが出来ました。
荷重自体は軽量であったものの風圧時・地震時に基礎に対して大きな水平力と引抜力がかかることから、基礎補強としてEAZET-Ⅱの有効性を発揮できた現場でした。


設備基礎での採用事例

タンク設備の基礎新設工事にてEAZET-Ⅱを採用いただきました。
既存のパイプラック設備を移設や撤去することが不可であった為、SS'タイプ(2mリーダー)の機械を使用しての施工となりました。
上層のシルト層が軟弱でありタンク基礎の沈下が懸念されること、完全支持層まで支持杭を打設すると約30mの杭長となりコストが大きくなることも相まって、 周面摩擦力が鋼管単体より大きなEAZET-Ⅱの有効性を発揮できた現場でした。




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