床遮音対策設計の基本(用途別)

音に関するトラブルと木造建築
集合住宅を中心に住居者が入居後に、 音に関する不具合 (騒音)を指摘するケースが増加しています。
特に木造建築においては注意が必要で、 木造建築物の課題として、上階や屋外・隣住戸からの音といった「騒音」 が挙げられます。
騒音はその伝搬経路によって 「空気伝搬音」 と 「固体伝搬音」 に分類され、それぞれに対策が重要となります。
高まる『床遮音』への意識
木造化には遮音対策が重要であるとの認識は高まっていますが、多くの方々がその対策方法に苦慮されています。
走ったり、飛び跳ねたりしたときに響く「重量床衝撃音」については、⽊造建築では対策が難しいとされており、とくに注意する必要があります。一方、スプーンなど軽いものを床に落としたときに響く「軽量床衝撃音」は、緩衝材付フローリングやマット、カーペットなどで軽減することが可能です。
軽量床衝撃音
- ・物の落下音
- ・椅子、家具の移動音
- ・掃除機を引きずる音
カツンコツンという比較駅軽い音で、物をおとしたり、椅子を引く音などが代表的な例です。
重量床衝撃音
- ・子供が飛び跳ね、
走り回る音 - ・上階からの足音
- ・階段、廊下の足音
ドスンバタンという大きな多く響く音で、子供が飛び跳ねるような音がその代表例です。

木造建築で『遮音』
どう対策すれば…
⽊造建築では対策が難しいとされている『重量床衝撃音』への対策がポイントに。また、重量床遮音対策には設計段階での検討が重要になります。
『軽量床衝撃音』『重量床衝撃音』
それぞれに対し
有効な対策は、以下のとおりです。
軽量床衝撃音対策
床の表⾯材を柔らかくすることが効果的です。
緩衝材付フローリングやカーペット等をお奨めします。
重量床衝撃音対策
上部⾯材(上階の床材)の重量、剛性を増加させることが基本となります。梁・根太・天井等を一定の仕様とすることで、低減効果が期待できます。

床の遮音対策は勿論、
その他の様々な機能・
付加価値も
ご提供しています。
重量床衝撃音に対しては、
遮音・防火床下地材『ユカテック』
(ALC薄形パネル)が有効です。
ユカテックは「JIS A 5416 2016 軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)」で規定されるALC薄形パネルです。
また、パネル内部に、防錆処理したメタルラスをパネルの全面にわたって埋め込み補強しています。

ユカテックは「JIS A 5416 2016 軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)」で規定されるALC薄形パネルです。
また、パネル内部に、防錆処理したメタルラスをパネルの全面にわたって埋め込み補強しています。
ユカテックのメリット
-
重量床衝撃音を
低減子供が飛び跳ねるときの「ドスンバタン」という大きく重く響く音(重量床衝撃音)を低減します。
ユカテック工法の木造住宅で、遮音等級LH(※1)
-65等級程度の性能が得られました。ユカテック工法の木造住宅で、遮音等級LH(※1)
-65等級程度の性能が得られました。 -
空気伝搬音を
低減ユカテックは、床衝撃音だけでなく、話し声やオーディオ製品等の空気伝搬音に対する遮音にも効果的です。
実際の建物で測定した例では、
遮音等級D(※2)-40等級の性能を確認しています。実際の建物で測定した例では、
遮音等級D(※2)-40等級の性能を確認しています。 -
軽量で躯体への
影響が少ないユカテックの質量は、22kg/㎡(気乾)です。躯体への負担が少なくなるメリットがあります。
-
防火性能に優れる
防火性能に優れ、もしもの火災時でも上下階へ熱や炎が伝わることや、拡大することを大幅に遅延させます。
準耐火構造(45分・1時間)の床の表側の(下地上面の)防火被覆材として、告示で一般指定(※3)されています。
準耐火構造(45分・1時間)の床の表側の(下地上面の)防火被覆材として、告示で一般指定(※3)されています。
※1 遮音等級LH:JIS A 1419-2附属書1で規定される重量床衝撃源による床衝撃音レベルの性能値で、数値が小さい程床性能が優れている事を示します。
※2 遮音等級D:JIS A 1419で規定される室間平均音圧レベル差の性能値で、数値が大きい程、遮音性能が優れている事を示します。
※3 一般指定:建設省告示(国土交通省告示)で指定された材料・構造を指しています。一般指定の場合、認定書等はありませんので、確認申請等では告示番号を明記してください。
『ユカテック×仕上げ材』
コラボレーションで
床遮音プラスアルファの
機能・付加価値をご提案
ユカテック/ユカテックWは、
用途・目的に合わせさまざまなメーカー・
製品とコラボレーションしています。
建築用途 | 文教/老健施設 | 事務所/オフィス | 共同住宅/老健施設 |
---|---|---|---|
ニーズ |
上階の床遮音が必要
|
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コラボ仕上材 |
BARRIERLESS FLOOR 乾式二重床 ![]() |
OAフロア ![]() |
直貼り防音フロア ![]() |
メーカー |
![]() |
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特長 |
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建築用途 | ニーズ | コラボ仕上材 | メーカー | 特長 |
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文教/老健施設 |
上階の床遮音が必要
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BARRIERLESS ![]() |
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事務所/オフィス |
OAフロア ![]() |
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共同住宅/老健施設 |
直貼り防音フロア ![]() |
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保育園・幼稚園をはじめとした文教施設や介護老人保健施設などにおける
「床の段差をなくしたい」「物件イメージに合わせた仕上げ材を使用したい」そういったご要望には、株式会社桐井製作所とコラボレーションした乾式二重床工法「バリアレスフロアー」をご提案。空気層が確保できるため自由な床下配管が可能です。また、床パネルがパーティクルボード(木質系リサイクル建材)のためデザインの自由度が高く、仕上げ材を選びません。
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事務所、オフィスなどにおける
「床下に配線を通したい」「安全で快適な足元環境を実現したい」そういったご要望には、共同カイテック株式会社とコラボレーションした「OAフロア」をご提案。
配線を床内に収納して必要な位置から立ち上げることができるため、つまずきによる転倒事故やケーブル破損によるデータ紛失を防ぎます。また、露出配線やモール配線による床面の凹凸が無くなるために、清掃やレイアウト変更が容易になり美観を保てます。 -
共同住宅、介護老人保健施設などにおける
「様々な生活音の遮音対策をしたい」「できるだけ簡易的に仕上げたい」そういった要望には、株式会社ノダとコラボレーションした「直貼り防音フロア」をご提案。指定の接着剤を使用し、短工期で施工することができます。
このように、用途・目的に応じて、
それぞれの課題に最適な床遮音対策を
ご提案することが可能ですので、
ぜひ一度ご相談ください。
『あとから』ではダメ、
木造建築の床遮音ポイント
軽量床衝撃音の対策は施工後においてもフローリングの上にマット等を敷くなど床表面材を柔らかくすることで効果が出ます。これに対して、重量床衝撃音では床構成材の重量化であったり、躯体の剛性等の強化することであり、事後対策は困難です。

『ユカテック施工事例』

いわき市立内郷保育園 福島県いわき市

Paixpaix(ペッペ)
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2024年11月作成