世界でもめずらしい!?日本の気候

世界各都市の年間降水量
東京 高知 札幌 ロンドン ベルリン ローマ ロサンゼルス
1528.8mm 2547.5mm 1106.5mm 640.3mm 578.3mm 706.6mm 322mm
(出典)「理科年表2020」国立天文台 丸善出版
夏、マニラなみ。冬、北欧なみ。
日本の気候は世界でもまれにみる厳しさです。
熱帯地域の国には、暑さ対策として軒先が長く、屋根裏空間を広くとった建物が多く見られます。また食べ物や建物を害虫や腐朽からまもるために、高床式であることも共通しています。
一方寒冷地の国では、建物の気密性を高め、窓の面積を少なくして熱が逃げるのを防いでいます。またさまざまな暖房方式も発達しました。
このように世界の住宅は、夏か冬のどちらかの気候に順応する工夫がなされています。
日本列島は縦に長く、亜熱帯から亜寒帯にまで位置します。そして夏は東南アジアのマニラなみのむし暑さ、逆に冬は北欧なみの寒気にさらされます。
沿岸には暖流と寒流が流れ、大陸の影響から四季に加えて梅雨や秋雨があります。また年間平均11個の台風が接近するため、欧米の平均的な都市の3倍の降水量を記録します。
このように日本は夏と冬の両方に断熱対策が必要な、世界でもまれな気象条件をもつ国なのです。
下表の横軸は月平均湿度で、縦軸は月平均温度。
日本の夏は気温と湿度はマニラ(フィリピン)なみで、冬の寒さは北欧のストックホルム(スウェーデン)に匹敵します。また夏と冬での気温と湿度の差が、諸外国に比べて大きいのも特徴です。
(出典)「理科年表2020」国立天文台 丸善出版