外張り断熱工法に適した断熱材とは?

「燃えにくい」こと。 それが外張り断熱に適した安心な断熱材です。

日本の町並みは欧米先進国とくらべて、隣どうしの家が近いことが大きな特徴です。 これこそが日本で外張り断熱工法の普及が遅れた大きな理由です。 建築基準法ではとなりの壁との距離や、道路などに面する屋根や壁の位置を制限しています。

日本の住宅は厚着ができない!

都市部では壁と壁の間が1mほどしかない場合もあり、これでは壁厚のかさむ「外張り断熱工法」はやっかいです。 日本の「外張り断熱工法」には、性能の高い断熱材を使って、壁厚をより薄く仕上げる必要があるのです。

木造住宅が主流の日本においては、火事による延焼をなにより恐れてきました。 燃えやすい断熱材を住まいの外まわりに使用すれば、火事による延焼のリスクが高まります。 また断熱材のなかにはシアンガス※1)などの有毒な燃焼ガスを出すものもあるので、注意が必要です。

※1)シアンガス・・・猛毒で生体の呼吸作用を止める働きがある。致死量は0.06gで殺虫剤などにも使われる。 Organic Compoundsの略。

万が一の火災に大丈夫?

日本の外張り断熱の場合には、燃えにくい素材を選択することがより安全なのです。

外張り断熱工法の注意点 1

建築基準法では南側に面する建物の日照を確保したり、低層住宅地の中に高い建物が建って景観を損ねないように、建築物の高さを制限しています。 これには高さ制限と斜線制限があり、斜線制限には道路斜線、隣地斜線、北側斜線があります。 屋根で外張り断熱をする場合、屋根の厚さが断熱材の厚さ分増えるので、斜線にかからないよう計画する必要があります。


外張り断熱工法の注意点 2

壁の外張り断熱で分厚い断熱材を施工することには、さまざまなデメリットがあります。 断熱材の厚さだけ壁のトータルの厚さが増えるので、開口部ではより広い窓枠が必要になります。 また窓周りに取り付ける「付加し材」も厚さが増すため、コストアップにつながります。

窓枠が広くなる