旭化成建材株式会社は、旭化成株式会社、住友電気工業株式会社と共同で「フェノールフォーム断熱材を用いたEV電費改善効果の予測」について、公益社団法人自動車技術会 2022年春季大会学術講演会(2022年5月25日~27日)にて発表を行いました。
近年、カーボンニュートラル実現が世界各国の目標として掲げられ、ガソリン自動車から電気自動車(EV)へのシフトが加速しています。
そのような中でEVをより一般に普及していくため、バッテリーをはじめとした電力性能の向上が要望されています。
しかし、快適なドライビングに不可欠となる冷暖房空調機(HVAC)が、その高い消費電力に起因し、 EV走行時の電費を著しく阻害してしまうことが知られております。
冷暖房による熱エネルギーを効率よく利用するには【車全体の断熱性】を高めることが有効であり、 車体の壁面全体を構成する上でも望ましい特性をあわせもつ断熱性素材が求められています。
そこで最高水準の断熱性能を有し、軽量性、量産性などにも優れたネオマフォームを、車体の断熱部材として用いた際の電費改善について検討※を行いました。
※一般的なEVの公開性ある情報と走行時の実測データに基づき、車の熱エネルギー収支を模擬するモデルベース開発モデルを構築することで、車両へ実搭載可能なネオマフォーム内挿部材による電費改善率を予測。
本検討から、断熱特性に優れるネオマフォームを用いた車体壁面部材を使用することで、冷暖房空調機単体としての電力消費を【20~30%程度】、また、走行を含めた電費として【4~8%】と、顕著な水準で改善できるとの結果がシミュレートされました。
EV用途のバッテリー、冷暖房空調機などの性能向上を目指した開発が飛躍的に進むなか、ネオマフォームにより断熱性を高めることは、電費改善への相乗効果が期待できるものと考えます。
今後、本提案が人々のくらしを支える自動車技術への貢献につながることを願っております。
断熱性、耐熱性に優れ、軽量性と高強度をバランスよく実現する発泡体、それがネオマフォームです。次世代自動車における熱マネジメントや軽量化による燃費向上などをはじめとした課題に対し、ネオマフォームの特徴を活かしながら、さまざまな部位での検討が進んでおります。
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*出典: 西川・阿井・大江他;「フェノールフォーム断熱材を用いたEV電費改善効果の予測」(公益社団法人自動車技術会;2022年春季大会学術講演会講演予稿集)
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