基礎TOPICS Vol.41
[困難な施工条件を克服するEAZET・ATTコラム] 障害物編
EAZET・ATTコラムの支障となる障害物について

今回は地中障害物が存在する場合の対応策として、地中障害撤去から 杭施工までの”一連施工”を行った事例を紹介します。
EAZET・ATTコラムの先端羽根部、中間羽根部はスパイラル形状となっており100~300mmのストローク間隔を持つように加工されています。
礫や玉石、その他の障害物等の大きさがストローク間隔以下であれば、施工可能と判断できる可能性がありますが、
ストローク間隔以上になると、杭を回転貫入させることが困難となるため、地中障害物撤去等の対策が必要となります。
また、その対策も障害物の形状や物性、障害物が存在する深度により、方法が異なってきます。
通常、EAZET・ATTコラムで使用するのは小型の施工機械ですが、今回紹介する事例の様に、特殊治具を用いて対応できる場合がありますので、是非ご相談下さい。
EAZET・ATTコラムの施工機械で行う先行掘削について(①ヘッド・コニカルヘッドで行う場合)

先行掘削を行っている様子
礫質地盤や硬い粘性土地盤等を先行掘削する場合は、コニカルヘッドで行うのが一般的です。排土の必要性がある場合には、
スパイラルロッドを用いるケースもあります。障害物の対象により、対応するヘッドの種類を変えて対処します。(最大径:~φ800mm程度まで)
施工時には治具を運搬・セッティング、排土の処理を行うため、相番でバックホウが必要になります。

ヘッドの先端部

コニカルヘッドの先端部
EAZET・ATTコラムの施工機械で行う先行掘削について(②ケーシングビットで行う場合)

既存躯体が障害となる場合、EAZETの施工機械により障害撤去から杭施工までを一連で施工することにより、現場の省力化が実現可能です。
基礎トピックスvol.7でご紹介した事例を改めて掲載させて頂きます。
▼ 基礎トピックスvol.7
施工事例1
■ 概要:都市部狭隘地における送電鉄塔補強工事
■ 障害:既存基礎(GL-1mの深さに存在)
・増し杭で補強する杭心箇所のみを杭打ち機を用いて先行掘削(コア抜き)した事例です。既存基礎をケーシングビットを用いてくり抜きました。
・基礎にはD25の鉄筋も入っていましたが、1.2mの鉄筋コンクリート基礎をおおよそ2時間/箇所で削孔しました。

施工状況

撤去した既存基礎

撤去後
施工事例2
■ 概要:敷地140m2での店舗ビル工事
■ 障害:既存地下基礎・梁(GL-4mの深さに存在)
敷地が狭く、既存の基礎も深いという施工条件でした。本来ならば山留を設置し、解体しなければならない工事となりますが、
ケーシングビットを用いて杭心位置のみをコア抜きした事により、大幅にコスト削減と工期短縮が実現できました。
2m程度の既存基礎をおおよそ3~4時間/箇所で削孔しました。
・施工機械1台で先行掘削からEAZET杭埋設までスムーズに施工できました。

施工状況

撤去した既存基礎

撤去後
※地中障害撤去後には基礎設計の関係上、適切な埋戻しを必要とするため、埋め戻し方法・設計方法については関係者にて十分な協議をお願いいたします。
EAZETの施工機械で行う先行掘削について(③ダブルオーガータイプで行う場合)

アタッチメントを切り替えながら同一機械で障害撤去と杭を施工します。スクリューとケーシングが互いに逆回転することにより、スムーズな障害物の破砕撤去が可能となります。基礎トピックスvol.27でご紹介した事例を改めて掲載させて頂きます。
▼ 基礎トピックスvol.27
施工事例3
■ 概要:鉄塔の建替工事
■ 障害:無筋コンクリート1m程度(GL-4mの深さに存在)
障害物を全撤去するには費用・工期ともに負担が大きくなるため、弊社の提案により杭打機での障害撤去工法を採用して頂きました。
・障害撤去から杭施工まで同一業者での一貫施工により、工期短縮・工程の簡略化が実現できました。
・杭施工箇所に限定した施工により掘削量・産業廃棄物量を削減できました。
ダブルオーガータイプで行う先行掘削は、深い深度(7m程度まで)に障害物がある場合に効果を発揮します。
また、ケーシング内でスクリューが障害物を破砕しながら掘削するため、ケーシングビットより作業性に優れています。

地中障害位置(赤丸が障害除去を実施した箇所)

ボーリング柱状図

障害撤去治具装着状況

コア抜き後の写真

破砕撤去した障害物
※現場条件、障害物状況により施工可否、施工方法が大きく変わりますので、各地区担当者までお問い合わせ願います。