地盤から決まる杭の極限支持力
地盤から決まる杭の極限支持力(kN)は、次式により算出する。
ここに、
Ru | :地盤から決まる杭の極限支持力(kN) |
---|---|
qd | :杭先端部底面で支持する極限支持力(kN/m2) |
Aw | :羽根径を直径とする円の面積(m2) |
U | :鋼管の周長(m) |
Li | :周面摩擦力を考慮する層の層厚(m) |
fi | :周面摩擦力を考慮する層の最大周面摩擦力度(kN/m2) |
杭先端部で支持する極限支持力度 qdと適用杭径
地盤種別 | 極限支持力度qd(kN/m2) | 適用杭径(mm) |
---|---|---|
砂層 | 150N(25≦N≦50)* | 114.3〜406.4 |
砂礫層 | 150N(30≦N≦50) | 114.3〜406.4 |
粘性土層 | 150N(15≦N≦50)* | 114.3〜355.6 |
N:杭先端地盤の平均N値
*道路橋示方書に準じて設計する場合のN値は、砂層は30≦N≦50、粘性土層20≦N≦50とする。
杭周面に働く最大周面摩擦力度 fi
地盤種別 | 最大周面摩擦力度fi (kN/m2) |
---|---|
砂質土 | 1.2N(≦36) |
粘性度 | 1.6N(≦24) |
N:杭周辺地盤のN値。但し、N≦2の軟弱層では周面摩擦を考慮しない。
水平抵抗
水平抵抗の計算に用いる水平方向地盤反力係数Khは、次式により算出する。
ここに、
Kho | :α×E0/0.3 (kN/m3) |
---|---|
α | :地盤反力係数の推定に用いる係数 |
E0 | :表II-6-3に示す方法で測定又は推定した、設計の対象とする位置での地盤の変形係数(kN/m2) |
Dp | :鋼管径(m) |
β | :杭の特性値 β={Kh×Dp÷(4EI)}1/4(m-1) |
EI | :鋼管の曲げ剛性(kN・m2) |
表II-6-3 E0とα
次の試験方法による変形係数(kN/m2) | α | |
---|---|---|
常時 | 地震時 | |
α直径30cmの剛体円盤による平板載荷試験の繰り返し曲線から求めた変形係数の1/2 | 1 | 2 |
ボーリング孔内で測定した変形係数 | 4 | 8 |
供試体の一軸又は三軸圧縮試験から求めた変形係数 | 4 | 8 |
標準貫入試験のN値よりE0=2800Nで推定した「変形係数」 | 1 | 2 |
鉛直引抜き抵抗
極限引抜き抵抗力Puは、羽根のアンカー効果と支持層以外の周面摩擦力の和として算出する。
ここで、先端地盤が砂層、砂礫層の場合は式1により、粘性土層の場合は式2により算出する。
ここに、
Dw | :羽根径(m) |
---|---|
γi | :支持層より上で地表面からi番目の層の土の有効単位体積重量(kN/m3) |
Li | :支持層より上で地表面からi番目の層の層厚(m) |
fi | :支持層より上で地表面からi番目の層の最大周面摩擦力度(kN/m2) |
γ | :支持層の土の有効単位体積重量(kN/m3) |
β | :引抜係数。せん断破壊面の抵抗係数を表し、支持層の内部摩擦角に応じた値を適用するものとする。 |
Φ | :支持層の内部摩擦角(°) |
U | :鋼管の周長(m) U=π・Dp |
H | :羽根上方の局所せん断破壊域の拡がる高さで、支持層への根入れ長(m) 但し、H≦2.5Dwとする。 |
c | :支持層地盤の粘着力(kN/m2)=qu/2 qu:粘着土地盤の一軸圧縮強さ(kN/m2) ただし、qu≦600とする。 なお、quの実測値がない場合には、N値からqu=12.5Nとして算定する。 |
引抜き方向の地盤別採用可能N値と適用杭径
地盤種別 | N値の範囲* | 適用杭径(mm) |
---|---|---|
砂層 | (25≦N≦50) | 114.3〜406.4 |
砂礫層 | (30≦N≦50) | 114.3〜406.4 |
粘性土層 | (15≦N≦50) | 114.3〜355.6 |
*道路橋示方書に準じて設計する場合の値は、砂層は30≦N≦50、粘性土層は20≦N≦50とする。
杭周面に働く最大周面摩擦力度 fi
地盤種別 | 最大周面摩擦力度fi(kN/m2) |
---|---|
砂質土 | 1.0N(≦17) |
粘性土 | 1.6N(≦16) |
N:杭周辺地盤のN値。
杭の軸方向バネ定数
杭の軸方向バネ定数(以下Kv)は、杭頭での杭軸方向の変位を生じさせる杭軸方向力として定義される。この値は杭頭反力の算定で用いるほか、杭基礎の弾性沈下を推定するのに用いられるものである。Kvは、杭の鉛直載荷試験による杭頭荷重−杭頭沈下量曲線から求めることが望ましいが、一般的な杭基礎の設計に当たっては、既往の載荷試験に基づく推定式によって求めることが多い。
本工法の載荷試験に基づくKv推定式を次式に記す。
ここに、
Kv | :杭の軸方向バネ定数(kN/m) |
---|---|
As | :鋼管の純断面積(m2) |
Es | :鋼管のヤング係数(kN/m2) |
L | :杭長 (m) |
a=0.0052×(L/Dp)+0.2256
なお、L/Dp≧10
適用範囲一覧
掘削・排土方式の概要 | 回転貫入・無排土で施工 |
---|---|
鋼管径 | Φ114.3〜406.4mm |
支持地盤種別と鋼管径 (押込み・引抜き) |
|
鋼管材質 | STK400、STK490、SKK400、SKK490 |
羽根径 | Φ250〜880mm(鋼管径の1.87〜3.00倍) |
羽根部材質 | SS400、SS490、SM490A |
テーバー鋼管 | NS-490TPP(認定番号MSTL-0230) |
継手 | 機械式継手(HCCJ継手、NCCJ継手)、溶接継手 |
最大施工深さ | 鋼管径の130倍以下 |
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