建物は健康ですか?

建物だって健康第一!「木材」は上手に使えば
1000年以上も長持ちする丈夫な材料なんです。
地震列島日本。現在日本の住宅はさまざまな地震対策がなされています。耐震工法・免震工法・制震工法・・・でもせっかく頑丈に建てた住まいも、腐ってしまっては意味がありません。日本の住宅に使われる代表的な素材である「木材」は、上手に使えば数百年、ものによっては1000年以上長持ちする丈夫な材料です。
ところが日本の住宅の平均寿命は32年ともいわれ、諸外国に比べて短すぎるのが現状です。もちろん全ての住宅が壊れたことが原因で、建て直されているわけではありません。
住宅の寿命を縮める最大の要因が、「結露」による“木材の腐れ”といわれ、この「結露」を止めることが、現在の住まいづくりの大きなテーマになっています。
21世紀は環境の世紀ともいわれています。なかでも「地球温暖化」は、世界レベルで取り組まなければならない問題です。まずは住宅の省エネ化をとおして、温暖化ガスの排出を抑えなければなりません。また壊せば大量の温暖化ガスをだしてしまう住宅は、長く住み続けることが 環境対策につながるのです。
(出典)「法隆寺を支えた木」西岡常一・小原次郎
木材の強度(曲げ強度)は材質によって異なりますが、たとえばひのきの場合伐採直後から強度が増し、約200年後にピークを迎えます。それから徐々に強度は低下しますが、1200年経過しても伐採直後の強度を維持しています。
(資料)日本:総務省「平成20年、平成25年住宅・土地統計調査」(データ:2008年、2013年)
アメリカ:U.S.Census Bureau「American Housing Survey 2003、2009」 (データ:2003年、2009年) http://www.census.gov/
イギリス(イングランド):Communities and Local Government「2001/02 , 2007/08 Survey of English Housing 」
(データ:2001年、2007年)http://www.communities.gov.uk/ 
より国土交通省推計
日本の住宅の平均建て替え年数は30年。英国の77年と比較すると短すぎるのが現状です。もちろん全ての住宅が32年で壊れているわけではありません。より新しい設備をもとめたり、家族のライフサイクルにあわせて建て替えるケースもあります。
一方で物理的に住めなくなり、建て替えざるをえない場合もあります。その大きな原因のひとつがシロアリによる食害や結露による木材の腐れによってひきおこされる、構造材の強度不足です。多くの人が住宅ローンによって家を建てる日本の住宅事情では、少なくともローンの返済期間より長い耐久性を実現する必要があります。

地球温暖化の原因は、二酸化炭素やフロンガスなど、断熱効果の高いガスの排出量の増加にあります。これらのガスは太陽熱を蓄え、大気の温度を上昇させます。近年温暖化による海面の上昇が確認され、洪水や干ばつの原因となることが懸念されています。地球温暖化防止には世界規模での対策が始まり、1997年には「気候変動枠組条約締約国会議」において採択された「京都議定書」では、温室効果ガス排出の削減目標が設定されました。その後、「京都議定書」は2005年2月16日発効されました。