2種類の羽根付き鋼管杭工法 ~土木分野での適応性について~
土木分野における杭工法(鋼管杭)の現状
土木分野において、一般的に鋼管を主とする杭工法を挙げるとすると、回転杭と鋼管ソイルセメント杭(道路橋示方書に掲載されている杭工法)が思い浮かびます。
その概要を簡単に挙げるとすれば、
①通常は、φ400以上の鋼管径を想定している
②回転杭の羽根径は、鋼管径の1.5倍、2.0倍程度が主である
③回転杭の施工機械は、特殊なものが少ない
④鋼管ソイルセメント杭は、大型機械を用いた施工になる
⑤鋼管ソイルセメント杭は、建設残土が発生する
になるのではないでしょうか。道路橋示方書も、社会のニーズに合わせるように回転杭を掲載するなど進歩してきていますが、
お客様からは
「特殊な現場の状況に応じて回転杭や鋼管ソイルセメント杭を使いたいと思っても、施工性や環境対応性、コスト比較が課題となってしまう(悩み)」
との声は、今でも少なくありません。
2つの工法で対応します!
弊社では、こういったお客様の声に応えるべく、EAZETとATTコラムを土木分野に投入することで課題解決に取り組んできています。
具体的には、建設技術審査証明や土木学会技術評価の取得、鉄道分野の適用性やNETIS(新技術情報提供システム)とNNTD(農業農村整備民間技術情報データベース)への掲載実績がそれにあたります。
EAZET

建設技術審査証明
(第54号)
ATTコラム土木

土木学会技術評価
(第15号)
下記は、EAZETのみです。



ATTコラムは、鉄道構造物等設計標準に対応できる分散ばね定数も評価の対象となっています。

少しずつ工法強化も実施しております!
【EAZET】
・施工機械の高トルク化、専用機の改良、杭材強度・羽根径のラインナップ増加
・道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編(平成29年11月)に対応した評価を取得(部分係数法)
【ATTコラム】
・施工能率アップ、杭種の増加
例えば、EAZETでは施工機械のM’タイプがラインナップし、ATTコラムでは狭隘地で施工性アップを実現しています。
EAZETでは施工機械:M’タイプ(機械幅は2m、トルク90kN・m)を新たに導入しました。

ATTコラムでは、地盤によっては狭隘地120㎡内で杭長15m程度まで打設できる施工性も強みです。

支持力性能について
各工法の支持力性能をまとめたページをご紹介します。鉛直力、引抜力、ばね定数の評価を全て取得しています。
EAZET-土木計算式
ATTコラム-土木計算式
*参考資料として、杭の計算をF8(株式会社フォーラムエイト製計算ソフトのEAZET版、ATTコラム版)で実施しています。
工法比較する際のご支援 ⇒小型機施工を行うパッケージ
お客様が小型機械や特殊機械を比較検討する際のお手伝いとして、現地調査(狭い、高い、低い、夜間、斜面(リーダレス機)など)や場合によっては杭詳細図のご協力も可能となっております。例えば、ATTコラムでは、小型のセメントプラントや水槽が必要となり狭隘地施工となり得ますが、現地調査を行うことでその施工の適切な可否判断ができるようになります。
①現地調査のご協力
事前に現地調査を行い、搬入経路、道幅の確認、施工機械の自走状況などを確認します。下記は、調査状況・結果のイメージ資料になります。

現地調査を実施することにより、設計者様による機械の事前配置の確認、特殊機械施工や狭隘地施工の適切な可否判断が可能になると考えられます。左下図が機械配置の例、右下写真は特殊施工、狭隘地施工の例になります。


リーダレス機による道路から斜面の杭心への打設例

狭隘地でのATTコラム施工例
②杭詳細図のご協力
下図のように、杭仕様(鋼管径、羽根径、杭長、接合部、鋼材厚み、杭頭接合部、杭重量、各種数量 など)が記載された杭詳細図を作成協力させて頂くこともあります。

杭頭接合
小径鋼管となりますので、杭頭接合のポイントを以下に示します。

最後に
建築分野はもとより、土木分野でもお客様のニーズに応えられるように心掛けていきたいと思っております。最近は、お客様からHPへお問い合わせいただくことも増えてきております。
是非、下記HPの閲覧またはお問い合わせフォームよりお声掛け下さい。