熱を断つから「断熱材」

あんなのも、こんなのも、
みんな「断熱材」だったんです。

熱の伝わりやすさは素材によって大きく異なります。一般に重たいものほど熱を伝えやすいといえます。

重たい素材の代表である金属やコンクリートは、「伝導」によって熱を大量に伝えてしまいます。 これに対して軽い物質の代表である「空気」は、熱を伝えにくい性質があります。 このため内部に空気をたくさん含んだ物質ほど、熱を伝えにくいといえます。

自然のなかには熱を伝えにくいものがたくさんあります。動物の毛皮や水鳥の羽毛は、寒さから身をまもってくれます。 また、動物がつくりだすさまざまな「巣」も、夏の暑さや冬の寒さを防ぐ機能に包まれています。

われわれ人間も自然から身をまもり、生活を豊かにするために、熱をコントロールする道具や材料を開発してきました。 もっとも身近なところでは服やふとん。魔法瓶や冷蔵庫など熱に関係するものは、周囲に熱を伝えにくい素材で保護されています。 あのスペースシャトルも大気圏に突入する時にあびる高熱から逃れるために、特殊なセラミックを身に付けています。

熱の伝わりやすさは、素材によってこんなに違う!

各素材の熱の伝わりやすさ(「ネオマフォーム」を1とした場合)

このように「熱」を「断つ」(伝えないようにする)ためにつくられた材料を「断熱材」とよびます。