中に詰めるか?外から張るか?

すき間NG! 断熱材は干せません。
理想は水を吸わない、吸わせない。

木造住宅の断熱工法にはさまざまな種類がありますが、大きく「充填断熱工法」と「外張り断熱工法」に分けられます。 充填断熱工法とは、壁や天井の中に断熱材を充填する方法で、グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材が使われます。 セルロースファイバーや粒状になったグラスウールを、機械を使って吹き込んでいく「吹き込み工法」、またプラスチック系断熱材と合板などが一体となった「パネル工法」も充填断熱工法に含まれます。

充填断熱工法のメリットはトータルコストが安いこと。ただし木材と取り合う部分が多く、すき間ができやすくなるので注意が必要です

「外張り断熱工法」とは主にプラスチック系の断熱材を、壁や屋根の外側から施工するもの。 鉄筋コンクリート造の場合の「外断熱工法」と区別して「外張り」とよばれます。 「外張り断熱工法」のメリットはすき間ができにくく、結露しにくいこと。反面コストは充填断熱工法に比べ高くなります。

これまで日本の住宅の断熱施工は充填断熱が主流でした。 しかし最近では断熱や居住性への関心が高まるなかで、外張り断熱工法を選ぶ人たちが増えています。

充填工法(木造)のバリエーション

「吹き込み工法」は粒状にしたグラスウールやセルロースファイバーを機械を使って吹き込んだもの。 細かいところまでまんべんなく施工できますが、吸水すると自重によってずり下がるので、結露対策として防湿・気密シートの設置が必須です。 「パネル工法」は構造面材とプラスチック系の断熱材を組み合わせたものが主流です。 しっかりした断熱・気密施工が可能な反面、コストアップにつながり、また現場での急な変更に対応しづらい面があります。


鉄筋コンクリート造と木造の断熱方式のちがい

鉄筋コンクリート造では断熱層が構造躯体の内側にあるのを「内断熱」、外側にあるのを「外断熱」とよびます。 これに対し、木造の場合は構造躯体の中に断熱施工する方法を「充填断熱工法」とよび、外側に施工するやり方を鉄筋コンクリート造と区別して、「外張り断熱工法」とよびます。