高断熱住宅のパートナー

大切な住まいは「断熱」から!
3つのパートナーで、さらに快適!!

断熱住宅をより快適に過ごすためには「気密」・「換気」・「暖冷房」のバランスを考えていく必要があります。 住宅の気密化の目的の1つは、すき間から逃げる熱を防ぐことです。穴の開いたコートでは意味がないように、高断熱化された住宅では、わずかなすき間から逃げる熱も見逃せません。
もう1つの目的は計画換気を行うため。 ノズルに穴が開いた掃除機ではゴミを吸い取ることができないように、確実な換気をするには空気の出入り口を明確にし、他にはすき間をつくらないことが肝心です。建物の気密性能は「相当隙間面積」という単位で表されます。

計画換気の目的の1つはVOC※1)をすみやかに排出すること。 住宅では多くのVOCが使われ、その数は100種類以上ともいわれています。 もう1つの目的は、人が生活する上で必要な新鮮空気を確保すること。 建築基準法や次世代省エネ基準では必要な換気回数※2)を0.5回/hとしています。 0.5回/hの換気量を確保するため、すき間からの漏気との差を計画換気で補うことになります。

※1)VOC・・・建材や家具・日用品などから放散される揮発性有機化合物のこと。ホルムアルデヒドを中心に室内の濃度指針値が策定されている。Volatile Organic Compoundsの略。

※2)換気回数・・・室内の空気が1時間あたりに外気と入れ替わる回数。

暖冷房設備については、高断熱住宅に適した器具やシステムが近年充実してるので、生活スタイルや 住宅設計に合わせたものをえらべます。 ただし、開放型ストーブ※3)は使うことができません。こうした器具からは一酸化炭素などの有毒ガスや大量の水蒸気が発生するからです。

※3)開放型ストーブ・・・通常の石油ストーブやファンヒーターのように、燃焼ガスをそのまま室内に出してしまう器具。 これに対し燃焼ガスを屋外に排出する器具を密閉型という。

気密性と計画換気の関係

計画換気とは空気の入り口と出口を明確にし、汚染空気と必要な新鮮空気を入れ換えること。 すき間だらけの住宅では室内の空気は外部との温度差や風によって、勝手に入れ替わってしまいます。 これでは排気口に近いすき間から空気が流れてしまい、十分な換気ができません。 有効な換気を行うには換気経路を明確にした上で、建物の気密性を確保する必要があります。


相当隙間面積(C値)とは

相当隙間面積(C値)とは建物の外皮(気密層)に存在する隙間面積の合計(総相当隙間面積)を、延べ床面積で割り算した数値のことです。 C値をもとめるには建物ごとに機械による気密測定を行うしかありません。 気密測定では送風機によって空気を排出し、室内を負圧に保ちます。 そして内外圧力差が9.8Pa(パスカル)の時の風量から相当隙間面積をもとめます。 C値は値が小さいほど建物の気密性が高いことを示しており、次世代省エネ基準ではI・II地域が2.0cm2/m2以下、III~VI地域については5.0cm2/m2と定められています。


計画換気の種類

計画換気は換気扇や送風機を用いる換気方法で、室内の圧力の状態と換気による空気の流れ方によって3種類に分類されます。 第1種換気は給気と排気の両方を機械によって行なうため、安定した換気量が確保されます。 第2種換気は給気のみを機械で行ないます。 室内が外より高圧になるので、外部からの空気の流入の心配がなくなり、病院などで採用されています。 第3種換気は排気のみを機械換気で行い、一般の住宅で採用されています。 外部より低圧になるため、外部から空気が流入しやすくなります。 住宅ではこの特徴を生かして、台所・トイレ・浴室など空気が汚れやすい空間で用いられます。


暖冷房方式

気密性に優れた高断熱住宅では、暖房器具から発生する一酸化炭素や二酸化炭素などの有害物質濃度が高まり、事故につながる可能性があります。 そのため気密住宅においては室内の空気を汚染しない密閉型の暖房器具を使用します。 FFストーブ、温水暖房機、電気暖房器、エアコンなどがこれに相当します。 これに対して通常のガスや灯油を熱源とするストーブやファンヒータなどの暖房器は「開放型暖房器」とよばれます。